㉛プラシーボ効果

・プラシーボ効果 

 

プラシーボ効果とは偽薬を処方しても、薬だと信じ込む事によって何らかの改善がみられる事を言います。信頼する先生に薬として小麦粉を固めたものを渡されて、それによって改善するというのはみなさんも聞いたことがあるでしょう。

 

まさに思い込み、暗示が身体に作用をするのです。そのような心と身体に関する面白い実験として、2004年に「サイエンス」で発表されたウェイガー博士の論文があります[2]

 

博士は被験者の手首に熱刺激を与え、脳が痛みを感じるときの活動の様子をfmri(機能的磁気共鳴画像)で観察した。すると視床や大脳皮質などすでに知られていた「痛覚経路」が活性化されていることが分かりました。

 

つぎに博士は痛み止めを塗って同じ実験を繰り返した。しかし、ここにはトリックがあり、その薬には全く有効成分がなく「プラシーボ」であったのです。

 

すると結果は驚くことにプラシーボを与えると痛覚経路は活性化しなかった。つまり痛みを感じなくなった。さらに痛みの刺激を受ける前に「前頭前野」と呼ばれる脳領域が活動していることが分かりました。

 

前頭前野とは心や意思を生み出す場所とされ、推測ですが「薬を塗ったんだからもう痛くないはずだ」と信じる意識が痛みの発生を防いだといえます。

 

心は感覚さえもコントロールする。その一つの証しであるといえるでしょう。思い込み、認知のなせる技なのです。

 



 

[2]脳波何かとp267