㉕快感を感じる場所

快感を感じる場所—報酬系

 

快感を生み出す神経伝達物質として知られるのが「ドーパミン」です。ドーパミンの神経伝達物質がたくさんある場所に「腹側被蓋野」があります。そこが刺激されるとドーパミンがたくさん出ます[1]

 

ドーパミンを刺激するような報酬に関する実験は心理学において「外的動機付けの実験」として古くからあります。

 

その一つとして2002年にサイエンス誌で報告されたアメリカ国立精神保健研究所のリッチモンド博士の論文によると、サルの実験において小さな目標を少しずつクリアーしていくこと、達成可能な目標を随時掲げる事が大切だと示されている[2]

 

その実験というのは目の前に置かれたモニターに赤色のサインが表示されたらレバーを押し、サインが緑色に変化したらレバーを放すというもので、この一連の行程をミスすることなくこなせたら然るはご褒美のジュースがもらえる。赤色のサイン中にレバーを離してしまったり、緑色に変わってもすぐにレバーを離さなかったらジュースはもらえない。しかし、この程度の作業であれば、成功率は97%こえる。

 

しかし、試験を連続させると意外な結果になる。例えば4回連続成功しないとジュースがもらえないという形をとると成功率が格段と下がる。4回連続テストの場合75%まで下がったという。

 

報酬にたどり着くまでのステップ数が多くなると仕事のエラー率が高くなるというわけである。目標は高い方が良いと言われるが、これでは達成して快感や報酬を得る回数が減るばかりか、達成できずにむしろ挫折を味わうことにもなりかねないのである。

 



[1]脳は何かと p61

[2]脳は何かと p54