⑰認知バイアスへの働きかけ方 瞑想、祈り、呼吸

瞑想とは、何かに心を集中させることを指し、一つの対象を定めた上で、その対象に集中を高めていく手法と、対象を定めずに心に去来する現象を一心に観察する手法(WIKIPEDIA)、に分けることができます。ネガティブな思考を追い出すための瞑想の場合には、の方に近いかもしれません。

 

ネガティブな思考を追い出すのに、今まで述べてきたようなネガティブ思考に反論したり、気をそらす方法が効かない場合には、いっそのことネガティブ思考に向き合ってしまおうという考え方になります。自分の思考や感情を、判断を加えずに認識してしまうという発想です。

 

たとえばマインドフルネスと呼ばれる瞑想法は、瞑想をしているうちに様々な出来事や思考が出てきても自然にまかせ、その様子を穏やかに観察し、それを客観的に分析する姿勢を続け、それを繰り返すうちに、次第にその思考や感情に引き込まれなくなり、最後は消えていくということをめざすやり方です。

 

呼吸法というのも様々なものがあり、瞑想法につながるものも多いですが、基本は「今ここにいる自分」を意識するためのものと言えます。呼吸というのは、心臓を動かすとか消化をするとかと同様、生命維持のための不可欠な人体活動の一環で、通常はシステム1が無意識のうちにやってくれている活動のひとつ。その中でも唯一自分の意思でコントロールできるものと言われています。すなわち、心臓を自分で止めることはできませんが、呼吸は自分で止めることはできるわけです(少なくとも一時的には)。

 

そのため、呼吸法で意識して自分の呼吸をコントロールするということは、自分の心身を意識することにつながり、思考に向き合うことにもつながるということになります。まあ理屈はともかく、昔から焦ったり落ち込んだりした場合には、深呼吸するといいというのはありましたよね。

 

祈りも最近注目を集めています。祈りの効果を脳科学的に研究している科学者たちもたくさんいます。祈りというのは、何らかの大いなる存在と意思疎通を図りながら、自分のために、あるいは人のために願うという行為です。自他ともにその幸福を願い、それに集中するという行為が脳の中にポジティブな効果をもたらすということが言われています。プラシーボ効果とも関連づけられて議論されていることも多いようです。