⑯認知バイアスへの働きかけ 良い刺激を与える

良い外部刺激を与える。

 

好きな音楽を聞くとか、きれいな景色を見ることによって気分転換をするというのは、自分にとって快い情動=感情をもたらす外部刺激を入れるということです。 

 

1. きれいな景色や絵画を見るのは視覚

2. 好きな音楽を聞くのは聴覚

3. おいしいものを食べるのは味覚

4. アロマとかを嗅ぐのは臭覚

5. マッサージなどを受けるの触覚

 

すべて気分転換にいいものばかりですね。これらすべて五感を使って良い外部刺激を入れていることになります。

 

人間は、快い情動と不快な情動を同時に持つことはできないと言われています。不快な情動の状態にいたとしても、そこに快い情動を発生させる外部刺激を入れてしまえば、不快な情動に上書きされて、快い情動に変わるのです。

気がふさいでいる時には気分転換をしましょうというのは、すべてこの原理です。 

 

人間にはミラーニューロンと呼ばれる神経細胞があって、人がしていることを見て、まるで自分がしているかのように共感する能力があります。気が合う、陽気な人と一緒にいると、自分まで明るい気分になってくるのも、良い外部刺激の例かもしれません。

 

お笑い番組を見るのもまさに現代的な外部刺激による気分転換です。笑いという情動は少なくとも一時的には間違いなく、不快な情動を否応無しに上書きしてしまいます。最近は笑いの科学まであって、笑いが健康に与える効果まで研究されています。

 

より長期的な効果がある外部刺激とは、本を読むとか、映画を見るとかにより、一時的な気分転換というだけでなく、知識として記憶させておく効果のあるものです。この辺りは認知バイアスの項目でも詳しく触れることになると思いますが、自分の憧れのアスリートが競技している姿を外部刺激として入れて、その人を目標に練習に励むとか、お手本としたい経営者の経営書を読むことで外部刺激として入れて、その教えを参考にしながら仕事に励むというのは、外部刺激を利用した方法です。

 

たとえばイチローがプレーする姿を録画しておいたのを何度も見ておけば(外部刺激として入れておく)、いざ自分がプレーする時に、イチローのプレーする姿が記憶から参照され、自然とそれに近いプレーができるというのはそのケースです。

 

広く外部刺激を利用して知識を仕入れて、記憶させておくということは、その後に入って来る刺激に対する自分の反応=行動が、その記憶を参照できるようになるので、より自分の望ましい方向に向ける効果があります。よって、何か目標があって、それに向けて自分を変えて行きたい場合には、大いに利用すべきルートということになります。

 

何か小難しいことを言っているようですが、自分の専門領域に関して勉強して知識をつけておくと、役に立つということを言っているに過ぎません。特に映像として入れておいた記憶は、脳は実際に経験した映像なのか、単に映画などで見た映像なのかの記憶があいまいになりがちなので、うまく利用すると良いかもしれません。