⑭普遍的な認知バイアス

今回は普遍的な認知バイアスです。「遺伝に基づく認知バイアス」についてとも言います。これは非常に幅広い概念ですが、平たく言えば、誰もが持っていがちな、勘違いということです。

 

例えば「今だけ安い!」という宣伝に引っかかりやすかったり、自分だけは災害に会わないと思い込んでいたり、クジに5回続けてはずれたら、次は当たるのではないかと思ったり(毎回確率は変わらない)、過去の思い出を実際より美化しがちだったり、人を外見で判断しがちだったり、偶然起きた出来事を事前に予測していたかのように思ったり、といくらでもあります。

 

もっと重いテーマとしては、人種差別、男女差別、パワハラなどもすべてこの認知バイアスです。通常良いものと思われている、愛国心、家族愛なんていうのもそうです。同じ人間なのに、たまたま同じ国に生まれたというだけで他の国の人より大事にするというのは、理屈では説明できない事象ですよね。

 

家族も同じです。世界中どこでも、他人より家族を大事にする家族愛は当たり前ですし、人間以外のどんな生物でも本能としてありますが、これも立派な認知バイアスのカテゴリーです。振込み詐欺というのは、人の家族愛という認知バイアスにまんまと付けこむ犯罪です。

 

様々な「遺伝に基づく認知バイアス」があり、我々の人生を助けてくれる良いものもたくさんあれば、足を引っ張る余計なものもあるわけです。大事なのは、自分の認知バイアスをなるべく多く知ることです。

 

別に何でもかんでも認知バイアスを無くすのが良いということではありません。自分には家族愛という認知バイアスがあるのだと自覚して行動することです。その上で、自分にとって不都合な認知バイアスには、極力引っかからないようにすることです。

 

たとえば経済で言えば、これも毎度おなじみのバブル時のように、景気は永遠に右肩上がりで上昇していくのではないかと、集団心理で認知バイアスがかかった時に、自分だけはこれは何かがおかしいと考えて、バブルに乗らないようするというのもその例です。実際にそのようなことを考えて、日本のバブルの時も、あるいは米国のリーマンショックの時も、一般の人たちと逆の行動を行い、その結果バブルの崩壊で大もうけしたような人たちもいます。

 

行動経済学という分野は、このような人間の合理的ではない認知バイアスを研究して、それが経済にどのように影響を与えるかを研究する経済学です。たかだかここ10年ぐらいで盛んになってきた分野です。逆に言えばその前までは、人間は合理的に行動することを前提に経済学を研究されていたわけで、いかに認知バイアスというのものに世界が気がつかないで物事が考えられていたかということになります。

 

こういった認知バイアスの例というのは、最近では心理学の本や行動経済学の本にたくさん載っているので、その中から、自分にありがちなクセを見つけるのも良いと思います。そして実際に何かを判断する場面で、できるだけ冷静に自分に認知バイアスがかかっていないかを見極める習慣を身に付けることになります。

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コメント: 1
  • #1

    sekstelefon (土曜日, 18 11月 2017 00:25)

    paskarz