②ポジティブな感情について―喜びの持つ意味

今回のテーマはポジティブな感情です。

感情には怒り、恐れ、悲しみなどのネガティブな感情と喜び、感謝、希望などのポジティブな感情があります。

従来の心理学や脳科学がネガティブ面を重点的に研究してきたということもあり、人間の喜びや感謝、希望の科学的意味付けというのはあまり知られていないと思います。

一方のネガティブ感情については、例えばいかに恐怖を感じる事が生命維持に役立っているかというテーゼは皆さんもご存知でしょう。

おさらいすると、ネガティブな感情の役割は、一時的に人の思考や行動の幅を大きく狭めて、目の前の危機に集中して対処するということでした。怒りなら戦うことに、恐れなら逃げたり隠れたりすることに、悲しみなら休息することに集中できるように。

 

・拡張ー形成理論


一方で、ポジティブ心理学の発展により、ポジティブ感情の役割の研究が進みました。その中でも有名なのが、拡張-形成理論と呼ばれるもので、ポジティブ感情は人の思考や行動の幅を広げて、大局的な視野でものごとを見られるようにし、その結果様々に有益な資源を形成していくというものです。

ネガティブ感情が視野を狭めて目の前のことに集中できるようにするのに対して、ポジティブ感情は逆に視野を広げて、多面的に思考できるようにするわけです。

人は、ネガティブな対象を避けて、ポジティブな対象を受け入れるという本能的な行動原理があります。避けたい対象に対しては全力でそれに対処するのに対して、望ましい対象に対しては、もっとそれと同じような対象がないかどうかをオープンに好奇心をもって探し回ることになり、その結果、創造性や情熱も高まるというのは直感的にうなずける話ですね。

実際にポジティブ心理学の実験でも、ポジティブな感情を引き起こされた人たちの方が、問題を解く能力が上がるなど、学習能力の促進にもつながるような結果も出ているようです。

それではもう少し詳しく、個別のポジティブ感情を見ていきましょう。

 

・喜びとは

ポジティブ感情の代表は喜びです。喜びは、これから出て来る様々なポジティブ感情にすべて関わる共通の感情とも言えます。すなわち誇り、希望、感謝、興味などにもすべて喜びが関わりますが、喜び単体でも存在し得ます。

たとえばおいしいものを食べたら、喜びを感じ、もっとおいしいものが無いか、積極的に探し回るようになります。そしてその喜びの対象をよく覚えておいて、将来的に常にアンテナを張り巡らしておくことができるようになり、その対象に気づきやすくなります。

喜びという感情は、自分をポジティブにしてくれるものは何かということをマークしておくために、一番重要な感情なわけです。喜びがあるおかげで、自分が好きな食べ物、好きな人、好きな仕事、好きな音楽、好きな場所を簡単に探せるし、それに自然と近づけるようになるわけです。

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コメント: 1
  • #1

    tutaj (金曜日, 03 11月 2017 18:54)

    Kobylno