⑩システム2とは

・システム2 意識的 理性的行動

 

システム2は直感的に判断するのではなく、時間をかけて論理的に思考してから行動するルートを指しています。自己啓発書のテーマのはやりである「~力を高める」みたいなのは、いかにシステム2をうまく使うかに関する内容だと見ることができます。

 

たとえば、最近のベストセラーのひとつである「スタンフォードの自分を変える教室」は、意志力を鍛えることがテーマですが、意志力とは、人間が誰でも持っている、「目先の利得を将来の利得より重視する」という認知バイアスと戦う力です。ダイエットが続かないのは、目先の食欲による利得が、将来の自分の体型をきれいにするという利得より重視されてしまうからです。

 

この本によれば、原始時代には食物を貯蔵するしくみがなかったので、人は生き残るために食べ物を見つければ躊躇せず食べ、脂肪を蓄積させることで飢餓時に備えてきたということです。

 

その目先の食欲を重視する認知バイアスが、現代人にも組み込まれているということなります。そうなると、システム1に頼っている限りは、目先の食欲が重視され続けてしまいます。意志力を高めるとは、いかにシステム2をうまく使って、将来の利得をより重視する方向に認知バイアスを変えていけるかがポイントということになります。

 

少し前にはやった「選択の科学」は、いかに選択する力を高めるかがテーマです。この本では、システム1に任せておくと、選択という行為にいかに多くの認知バイアスがはたらいてしまうかという例が数多く出てきます。

 

たとえば日本人は選択肢がなるべく狭まれた中で反応(選択)するのが心地よいという認知バイアスが働き、アメリカ人は選択肢はなるべく自由な中で反応(選択)するのがよいという認知バイアスが働くというような、人種によって認知バイアスが異なるというような例が出ています。本によれば、選択力を高まる一つのやり方は、自分が行った選択を定期的に振り返って評価する習慣を身に付けるということで、これは定期的にシステム2で自分の認知バイアスをチェックするという作業に他なりません。