⑨ポジティブ・エクササイズー目標設定

・目標設定

 

さて5番目のエクササイズは目標設定です。

感謝のエクササイズが過去の良い出来事に関してポジティブ感情を強化し、味わうエクササイズが現在の良い出来事に関してポジティブ感情を強化するものだとすれば、目標設定は将来の良い出来事に関してポジティブ感情を強化するエクササイズだということができます。

目標を設定するということは、将来の良い出来事を創造する作業に他なりません。目標とは、現時点でその人が考える将来の最良な出来事なわけです。

そのため、目標を設定するという作業そのものが、ポジティブ感情を強化する作用があるわけです。

 

・内側からの欲求


目標設定で一番大事なのが、目標は他人に押し付けられたものではなく、自分で選ぶことだと言われています。自分の価値観や強みに基づく、自分で考えて設定する目標です。

人がモチベーションを感じ、やる気が出るのは、外側からではなく、自分の内側から生じる欲求に向かう時であるというのは、様々な調査の結果からも出ています。

マズローの5段階欲求にも自律の欲求があるように、人間は自分で物事をコントロールしたいという欲求が本源的にあるわけです。そしてまた、目標とはその人が考える現時点での将来の最良のできごとだとすれば、自分で選ぶべきなのは当然のことになります。

 

・接近目標と回避目標


そして接近目標と回避目標という区別もあります。接近目標とは自分がなりたい状態を目標にするのに対し、回避目標とは、「太らないようにする」のようになりたくない状態を目標とするものです。これも将来の良い出来事を考えるものすれば、接近目標の方がよいことは言うまでもありません。

また目標は現実的な実現可能性と、ある程度の難易度のバランスが大事であると言われています。あくまでも「将来の良いできごと」であるためには、実現する可能性がある程度高くないと意味がありませんし、一方で簡単に実現してしまっては、実現したことに対する喜びや誇りなどのポジティブ感情が発生しなくなってしまいます。

そのためにも、一度設定した目標もその時々で見直したり、大目標とは別に小目標も設定するなどの柔軟性や適応性も必要だと言われています。

目標設定のエクササイズの狙いは、目標そのものに向かって努力している最中の充実感や集中感によりポジティブ感情を強化することにあるわけですが、目標を実際達成することによる達成感や満足感も、当然ながらポジティブ感情を大きく高める効果があるわけです。

目標設定は、前回の楽観性を育てるエクササイズとも大いに関係あります。悲観的な人というのは、目標を立ててもどうせ達成できないと、目標を立てる前からあきらめてしまいがちですが、目標を設定してそれめざすという姿勢を持つということ自体が、目標は達成できるという楽観的な観測を前提にするわけです。