⑦ポジティブ・エクササイズー味わう

・味わう

 

今度は「味わう」エクササイズです。

味わうというのは、今自分が感じているポジティブな感情を、じっくり味わってみるというエクササイズです。

前回も書いたように、我々は朝から晩まで様々な感情を感じていますが、そのほとんどを無意識のうちにやり過ごしてしまっています。もちろん色んな感情をいちいち意識していたら、いくら時間があっても足りなくなるわけですが、このエクササイズの発想は、そのうちのいくつかのポジティブ感情を、あえてじっくり味わってみることで、意識してポジティブ感情の比率を上げてみるということになります。

普段は何気なくやり過ごしていること、たとえば出勤前にかき込んでいる朝ごはんを、じっくり一品一品噛みしめながら食べてみる(文字通りの味わうですね)とか、いつもと違う通勤路を歩いてみて、周りの木々や草花に注意を向けてみるなどで良いわけです。

毎日をせわしなく生きている現代人が、もっと今の足元の良いことに目を向けて味わってみるという発想ですが、過去起きたポジティブなことを思い出して味わってみるというのもOKです。そのために、思い出のアルバムなどを活用するようなことも提案されています。

 

・他者との交流


人との交流を深めるエクササイズは、家族や友人を中心に、良好な人間関係を築いていくというものです。

ポジティブ感情の種類のうち、愛情や感謝など、他者との関係で発生するものが数多くあります。人間の欲求は、マズローの5段階欲求でも出てきたように、所属と愛の欲求や、他者からの承認の欲求など、他者との関係性に絡むもの多いのです。人間の生活は他者との関係性で成り立っており、その中でも一番密接な家族や友人との人間関係の良し悪しが、その人のポジティブ度に大きく影響します。

具体的なエクササイズは、家族や友人との時間を意識してしっかり取るとか、愛情、感謝、称賛などの感情を明確に言葉で伝えたり、身体で示したりするとか、相手の良いところや称賛している部分を書き出していくなどがあります。

人との交流エクササイズも、自分のポジティブ感情を高めるのが第一の狙いであることは、他のエクササイズと同一ですが、他のエクササイズと大きく異なる特徴は、エクササイズを通じて相手のポジティブ度も結果として上がっていき、それが相乗効果になって自分にまた返ってくるという効果があることです。

会社組織などでは、このポジティブ度の伝染効果というのは非常に重要な要素になってきます。

ポジティブな職場というのは、お互いがお互いの長所を認め合い、尊重し、上手に活用できている職場です。これはまさにポジティブ感情の拡張-形成理論に基づき、一人一人のポジティブ度が組織全体に広がっている状態であると言えます。

つまり、愛情、感謝、称賛などを示す行為が双方のポジティブ度を上げ、ポジティブ度が上がった人はまた愛情、感謝、称賛などのポジティブ感情・行為をより多く発信するようになり、それがまた双方のポジティブ度を上げる、という形でポジティブの上昇スパイラルに入っていく状態なわけです。