⑥ポジティブ・エクササイズー感謝すること

・40%はコントロールできる

 

さて、人が幸福度を感じるためには、ポジティブ感情がネガティブ感情の3倍以上必要だということでしたが、その比率はコントロールできるものなのでしょうか。つまりポジティブ度というのは、自分でコントロールできるものなのでしょうか。

ポジティブ心理学では、ポジティブ度は50%が遺伝、10%が環境、残りの40%が本人の意図的行動で決まるとされています。つまり40%は自分でコントロールできるということです。

環境というのは、お金持ちの家に生まれたかとか、親が優しかったかなどの外部要因を指し、10%というのは意外と低い影響力だという印象かと思います。お金持ちが必ずしも幸福ではないというのは、これに関連します。

いずれにせよポジティブ心理学の一つの特徴は、自分でコントロールできる40%の部分での色々なエクササイズを研究しているところです。

 

・ポジティブエクササイズ


今や世界中のポジティブ心理学者たちが、様々なエクササイズを編み出しています。たとえば代表的なものは以下のようなものがあります。

1.感謝する
2.味わう
3.人との交流を深める
4.楽観性を高める
5.目的を持つ

それぞれ簡単に見て行きましょう。まず感謝するエクササイズからです。

夜寝る前に、その日あった3つの良いことを思い出し、それがなぜ起きたかを考えてみるというエクササイズは、ポジティブ心理学のエクササイズの中でも一番有名なものです。

良いことというのは、道端の花がきれいだったとか、ランチがおいしかったとか、優しい言葉をかけてもらったとか、他愛ないものでも何でもいいと言われています。いずれにせよ、たとえちょっとしたことでも、それが起きた時には、喜びなどのポジティブ感情が発生しているはずです。人間は95%は無意識で行動しているので、それが起きた時のポジティブ感情を意識していない可能性もあります。その出来事を思い出して、改めて感謝することで、喜び、感謝などのポジティブ感情を、今度は意識して再生産していることになります。

人は一日のうちに、数え切れないほどの様々な感情を、朝から晩まで感じています。その中にはポジティブなものもネガティブなものもあるわけです。その中から、ポジティブなものを3つ選び出して、それを寝る前に反芻して記憶にも刷り込むことで、ポジティブ感情の比率を増やしているわけです。

また、ものごとの印象はピーク時と終了時で決まるというピークエンドの法則から、夜寝る前に思い出すことで、その日一日の印象をポジティブにして終えることができるという効果もあると言われています。

より直接的に感謝に関わるエクササイズとしては、実際にお世話になった人に対して感謝の手紙を書くというのも有名です。これは感謝そのものがポジティブ感情であることがわかっているので、その感情を増幅することで、ポジティブ度を上げることが狙いです。